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健康づくりは年令の如何に関わらず、始めたときから効果がでてくるものであるが、継続が大切である。それには、自分の健康は自分で守るということの絶えざる努力と、それをサポートする教育・指導が必要である。
(9)直ぐに役立つ、高齢者向きの災害防止
これまで数項目にわたり高齢船員の社会的位置付け、あるいは陸上労働者と比較しての災害発生率の違い、さらには医学的にみた高齢者ならではの身体的特徴と災害・疾病の被災・罹病の傾向等について言及してきた。
ここでは、高齢船員が安全に働けるための、具体的かつ安易に何時でも、どこでも実行可能な方法論を追記して項を締めたい。
つまり、高齢化社会に向かい年を取っても無理なく(体をこわさず)、無駄なく(要領よく)、迷惑かけず(周囲に)楽しく働き、働けることであろう。そして、そのための体力維持の秘訣と体の動かし方のコツを身に付けようではないかという趣旨の提案でもある。以下がそれらの項目である。

 

?息切れと、動悸が起きたら、直ぐ座る→胸騒ぎが収まるまで、安静にすること。
?落ちたものを、不用意に給えば、腰が痛む→ひざを曲げ、しゃがんで物を拾うこと。
?グチはこぼした方が気が晴れる→不満が溜まれば事故を起こしやい。
?クスリには副作用有り、要注意→貰うとき、眠気、ふらつき等が起きないかをよく尋ねること。
?肩の痛みは、我慢するな、頑張るな→痛まずに作業できる方法を探すと。
?腰を曲げるな、しゃがんで仕事→腰痛を起こさない姿勢(腰痛予防)。
?自分の衰えを自覚する→衰えをカバーする知恵が湧く。
?とっさに逃げるのは無理→逃げ道を考えておくこと。
?だんだん、耳が遠くなる→先輩には、大声で合図しよう。
?疲労が起きない姿勢を考える→姿勢を変えたり、休憩を入れること。

 

 

 

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